はじめに 今回のトレッキング構想は昨年2006年3月アンナプルナにシャクナゲを求めに出かけた時に、既にリーダーにして計画者のGさんの頭の中ではほぼ決まっていたといえよう。一方私はランタンの存在を、ジョムソン街道を訪ねた2005年11月バンコックの空港で,ある日本人に教えられ、それ以来いつか必ずランタンを、美しい谷と謳われるランタンに行こうと決めていた。 その後得た情報でランタン谷にはヘリコプターを使うという。しかし私はそのとき、そうしたトレッキング手段になぜか拒否反応を感じ、ヘリはつかわずに、花だけでなく谷の深さを昔の人のように、ネパールの人たちのように歩いて、身体で知ろうと心の内に固く決めたのだった。 2回のヒマラヤトレッキングから過酷な自然と共生するネパールの山村の人々の生活に驚きと共感を覚え、ほんの一部ながら彼らの生活の場を共有することが、ネパールの人々への私のささやかな敬意の表し方と思っているからである。こうしてGさんの企画力と実行力に、私のセンチメンタリズムを上手く上乗せることができてこの計画は実現への第一歩を踏みだしたのであった。しかしヘリを使わないというのは単なる私のセンチメンタリズムにすぎなかった。というのは徒歩というのは選択の余地のない手段であった。花が谷を覆う雨期にはヘリコプターは飛べない。花の谷は歩いてやってくる人を待っているのである。 しかし全行程徒歩、雨期、蛭の出没、4000mを超える高度が参加希望者を躊躇させた。Qさんもその一人であった。計画者は説明と説得に苦労された。 こうして訪れたランタン谷は花に覆われ、人気なく、ひっそりと静かであった。そして時折雲の合間から、壮絶な峰峰がさっと姿を見せるのであった。 |
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ランタントレッキング日程表&紀行文(写真付) 2007年 map | ||||
No. | 月日 | 都市名 | 交通機関 | 行程概要 |
1 | 7月3日(火) | 東京-成田空港バンコク | 移動日 | |
2 | 7月4日(水) | バンコク カトマンドゥ |
到着後専用車にてホテルへ |
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3 | 7月5日(木) | カトマンドゥ シャブルベンジ |
専用車 |
7:10-17:20 次第に高度が上がり、眼下に広い谷底が開け、対岸の山腹には段々畑が続く。 |
4 | 7月6日(金) | シャブルベンジ ラマホテル |
トレッキング | 8:00-17:40 ランタン・コーラに沿って左岸を、森林の山道を進む。 |
5 | 7月7日(土) | ラマホテル ランタン |
トレッキング | 7:30-16:15 薄暗い照葉樹林の中を、ランタン・コーラの轟音と激流に怯えながら急登を繰り返す。木々の合間から白い峰が見える。 |
6 | 7月8日(日) | ランタン | 停滞日 |
時頃霧が晴れ、居室の窓から前日登ってきた谷間、北側の急峻な岩稜が全貌を現す。 字谷の奥にガンチェンポが見える。食堂の脇を流れる小川で洗濯! |
7 | 7月9日(月) | ランタン キャジンゴンパ |
トレッキング | 7:00-12:40 小さい氷河を渡り古いランタン村ムンドゥを通り、平坦な乾いた道を歩く。周囲は大麦や馬鈴薯畑。道端の草地にはアネモネ・リブラリス、ジンジャー、アヤメ、紫のユリ科の花など。まさに花の谷、ランタン。 |
8 | 7月10日(火) | キャジンゴンパ | トレッキング | 5:50-14:30 ブルーポピーを探しにチェルコ・リへ。30 分ほどやや下りの平坦道を歩いて河原に着く。シェルパに背負われて無事渡渉。ポーター頭を先頭にジグザグと登る。 稜線の道は急な上に、瓦礫て滑りやすい。 写真家のF氏がブルーポピーを探してキャンプした放牧地のカルカに着く。 |
9 | 7月11日(水) | キャジンゴンパ ランタン |
トレッキング | 午前中チーズ小屋とゴンパを訪ねる 11:20-15:00 早めの昼食を摂り、出発。時間後プリムラの群落する水辺に着き、心済むまで愉しむ。足場は悪いがよじ登ると、その脇にも、上にも、あちこちにイエローポピーのおおきな株が樹木の根元に林立している。往路では気が付かなかった。 |
10 | 7月12日(木) | ランタン ラマホテル |
トレッキング | 7:30-13:50 道端のワラビを採りながら子供の頃の日本の山村の暮らしなど話しながら 時間ほど下る。青みを帯び芯のあたりがエンジ色のユリ、リリウム・ネパレンセをみつける。タングサプを最後にランタン村ともお 別れ。 |
11 | 7月13日(金) | ラマホテル シェルパガオン シャブルベンシ |
トレッキング | 7:30-17:10 激流と別れ、針葉樹の森林に覆われた深い谷間を眺めながら山腹の道を徐々に高度をあげる。山腹を大きく回り込むとシェルパ・ガオン 霧の晴れ間から向かいの山腹にゴサイン・クンドに続く集落がみえる。 |
12 | 7月14日(土) | シャブルベンジ カトマンドゥ |
専用車 | 8:00-17:00 時小型のバスで出発。どこが崖崩れの場所か、無事ドウンチェのチェック・ポイントを通過。突然バスが止まり、ここから歩き、向こうで待っているバスに乗り換えるという。私達が乗ってきたバスはUターン。ポーター達が素早く荷物を背負って歩き出す。道の真ん中に大きな岩がごろごろと重なり、谷に向かって雪崩れ込んでいた。 |
13 | 7月15日(日) | カトマンドゥ | 観光 | リンジシェルパの案内でナガルコット見物。エベレストなどの山は雲の中。 |
14 | 7月16日(月) | カトマンドゥ発 | 機内泊 | |
15 | 7月17日(火) | 東京 早朝 | ||
まとめ | ||||
参加者:G(山と写真愛好家)、E(ベテラン登山家)、I(中級トレッカー)、S(植物愛好家) Q(初級トレッカー)、R(中級トレッカー) 年齢:70 歳〜58歳 スタッフ:ダワ・シェルパ(サーダー)、リンジ・シェルパ(ガイド) マンガル・シェルパ、ナムゲル・シェルパ デュルクマル(コック)キッチンボーイ2名、 ポーター頭及びポーター6名 |
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