2011年7月5日(火)~7月30日(土)26日間
7月10日(日) ゴティチャウル ナプカナ(3040m)    トレッキング 14.9km           
               7時30分発  16時30分着
 前夜はかなり強く雨が降り続け、雨漏りのために数回目が覚める.シート下に溜まった水を何回も拭いては絞り取る。  露に濡れた草原を縫って道幅を広げた道に出る。川が流れ込む谷の入り口地点まで下り急流を右手に道を行く。 周囲は鬱蒼とした谷間に変わり,道は崖崩れや倒木があり荒れている。 鞭を当てて走る、馬上の人が何騎か行く.ここでは交通手段は馬なのだ。急流沿いの山道からいつの間にか風景は明るい水田地帯となる,畑の間のぬかる道を足場になる石を探しつつ2時間 ほど歩き小さな部落( 2675m)で休憩。
 
 ここでハプニング.途中から前後して歩いてきた赤ちゃんを懐にした母親が、赤ちゃんを後藤さんに預けて用足しに行っている間に、赤ちゃんも後藤さんの膝の上でおしっこをしたのだ。母親はあれまあ、という顔をしておむつを取り替える。後藤さんもまあ、と言い、赤ちゃんのおしっこは水みたいなものよ!とハンカチで濡れたズボンを拭く。 再び田園地帯を1時間ほど歩く。吊り橋 手前の民家を借り早めの昼食(10時30分〜11時40分)をとる。ムニサング(2720m)という部落だ。吊り橋を渡った先にサンプという村がある。 吊り橋は渡らず,激流沿いの左岸の道を辿る。車が通れるように近年道幅を広げたらしいが、そのため粘土質の土や石がゴロゴロし、泥濘む。陽射しが強く,傘をさす。まもなく山道となり、森林地帯に入る。橋を渡り、道幅の広い旧道をたどる。

 14時近く(2860m)雨が降り出す。40分ほど歩き続けると前方が開け、左手の山の中腹には7〜8軒の農家が点在するが廃村だそうだ。 川が泡立って流れ、岸辺一帯が花畑である(2905m).晴れ間ものぞく。 
 再び山道を緩やかに登る。 アブラナ科(エリシマム・ヒエラキーフォリウム)のオレンジ色、アネモネ・リヴラリスの白色の群落、草原に点在する紫色のプリムラが美しい。

 15時30分 チュルタ村(3000m)を通り抜ける.村道は家と家の間を通り,人一人とロバがやっと通れる程度の細く、しかもひどい泥濘である。軒下に立つ若い母親が子供が下痢をしているが薬がないか、と問うてくる。子供達が10人ほど前後についてくる。女の子は花束を手に、あるいは頭に挿している。全身エネルギーの塊で、叫び声を上げ、草原のなかを走り回る。峠(3020m)まで30分の登りは疲れもあって苦しい。疲れ切った身にはさらにテント場まで苦しい道のりだった。
      

       廃村と泡立って流れる川       ピストルタ・アンプレクシカウリス(タデ科)