2011年7月5日(火)~7月30日(土)26日間
7月13日(水) カイガオン トイジェム (2998mGPS) トレッキング 8.4km
             7時13分発  13時55分着
 昨夜から降り続いた雨も上る。朝露にハベナリア・インテルメディアが長い睫毛をぬらしている(私達はつけまつげの花とあだ名した)。右手下方に黄金色のラマ教寺院が見える。近ずくと少年が3〜4人こちらを見上げている。修行中の小坊主さんたちだ。
 柳に縁取られた用水路に跨がるように石造りの小屋が幾つかある。水力を利用した粉挽き場で、覗くと不敵な眼差しを向ける男が一人いた。

 チベット族の村フリコットを通過。少しづつ登りとなり山道に入る。山腹を巻くように道がつけられ一段下の河棚にトウモロコシ畑がひろがり、廃屋が所々にある。再び登りとなり2710mあたりから森のなかを石がゴロゴロとする道を急登。茶屋の廃屋があり、後から来た ネパール人の母娘4人が追いつく。道脇にはイラクサ、大きなテンナンショウが生えている。急登が続く。11時46分、3020m地点の岩陰に可憐なプリムラ。さらに急登が続き、やや下るとチェックポイント(3025m)で兵舎と兵士が数人いる。門を通り草地で12時30分昼食を摂る。

 谷川に向かって下る.ひどくぬかるむ薄暗い道を急下降し、橋を渡る。激流が巨岩にぶつかりしぶきを上げている。狭く岩だらけの道を急登。途中のやや広くなった道の木下に馬から下ろした荷物が放置してある。ここからは人力で運び上げ。    
 13時55分 テント地 トイジェム に着く。四方を黒々とした原始林に囲まれた台地で上空わずかに空がのぞく。当てにしていた水場が涸れていたためスタッフは谷底まで水を汲みにいく。洗面はなしである。

ラマ教寺院

フリコットの新築の家

粉挽き場

 その内部

新築の家

可憐なプリムラ
   
昼食の準備をするスタッフ               テント並ぶ
 
7月14日(木)  トイジェム  カグラマフェディ下(3895m) トレキング 8.5km
                7時20分発  18時05分着
 裏の森林帯を急登。30分後尾根に出る(3055m).深い谷を隔てて対岸に豆粒ほどにチェックポイントのブルーの屋根が見える。しばらく杉の葉が積もった暗い尾根筋の道が続き、その先にアネモネ・リブラリスやシシウドが林立する草原状の明るい台地 (3170m)が現れ一休みする。  

 細い道が深い谷の中腹につけられ山側の崖の上に白いプリムラがあちこちに咲く(3200m) 。道脇の草むらには鞠のような花をつけたステレラ・カマエヤスメ(ジンチョウゲ科)が顔をのぞかせる。
 谷側には白いバラ、道端にはギシギシが繁る.行く手の深い谷の奥に巨大な黒い岩が門のように立ちはだかっている。右手対岸には2つの滝が音もなく流れ落ちる.急登するとせりでた大きな崖下の岩屋でスタッフが昼食の準備をしている(3390m)。10時50分早めにお昼をとる。

 再び登り始めると雨が降り出し、あっという間に雨脚が早くなり気温も下がる.周囲は霧に包まれ、道端に雨滴に垂れる黄色も鮮やかなケシ科の花 ディクラノスティグマ・ラクトゥコイデス。 草原にメコノプシス・バニクラータがぬっと立つ。 30分ほど登り続け 3535m地点から下りになり谷底の小さな草地に至る.14時,橋を渡るが道が無くなる.急流に つきでた崖を回り込む他ないようだ 。水かさが増し、そのあたりから道が水没してしまったらしい.シェルパ達が石を投げ込み足場を作る.深いところは膝上まで水に浸かる。14時40分渡渉完了。

 
不安定な石がゴロゴロする急登が続く.15時3735mの斜面で立ったまま休憩、スタッフがルートを探す。 雨が打ち付け寒い.岩の間に矮性の有鱗シャクナゲが見える.10分、20分間隔で休みを入れながら高度を上げていく。 15時30分、杉さんが初めてのメコノプシスを見つける(3780m).
 少しづつ高度を上げ、斜面は緑に覆われ様々な花が咲く。霧に覆われた小高い丘にタルチョがぼんやり見える。一歩一歩苦しい登りである。16時17分峠(3895m)にたどり着く。馬方のパパが霧のなか一人座っているではないか。訝しく思っているとサーダー達が裾をまくり上げた姿で迎えにくる。川が増水して馬方パパはテーブルを若者に託したものの,一人では渡れないため残っていたのだ。17時 私達も荷物を下し、シェルパに背負われて逆巻き、泡立つ川を前後左右を数人にサポートされながら緊張して渡る。

 合計3回の渡渉を終えた時はすでに夕暮れ近い17時50分、広い河原を疲れ切って歩く.足下には大輪のディクラノスティグマ・ラクトゥコイデスが咲く。 河原の奥に黄色いテントが・・・。 18時 カグラマフェディ下(4061mGPS)に着く。予定していたキャンプ地ゴルフン(3950m地図)が流されてしまったので変更したのだ。

チェックポイントの屋根

 休憩した台地を遠望

プリムラ・レイディー

ステレラ・カマエヤスメ

谷の奥に巨岩が・・・

スタッフが昼食の準備

ディクラノスティグマ・ラクトゥコイデス

メコノプシス・バニクラータ

増水で道が水没

スタッフがルート探す

メコノプシス
 
シェルパに背負われて 
          
河原の奥に黄色いテントが                     カグラマフェディ下