ロッジの規模と設備
 
 ロッジは4部屋程度のハモニカ状に部屋の並ぶ小規模のものからコンクリート造り3階建てのかなり大きいものもあるが、多くは2階建てで、部屋は横に並び、前にはテラス風の回廊がついている。 部屋には窓が一つ、2−3人用のマットレスつき寝台と小さなテーブルが標準設備である。標高が上がるほど毛布はなかった。隣室とは多くは羽目板一枚、塗装してあることもないこともある。電気はあるとは限らず、あっても夜9−10時頃まで給電されないことが多い。

 別棟に共同の手洗いとシャワー室がある。手洗いの設備は陶製の屈む便器、水を張ったバケツと柄杓(といっても空き缶だったりするが)、蓋なしバケツの三点である。紙はない。用を足したら、柄杓で水を流し(つまり“セルフ”水洗)、使用した紙は全て大小問わず蓋なしバケツへ。紙類は配管が細い為たちまち詰まってしまうのだそうだ。またテッシュペーパーは水に溶けないためトレッキング中、トイレットペーパーを持参するのだが、狭いトイレ、慣れない姿勢で、トイレットペーパーをバケツに落としてしまうこともあり、そんな目にあったロールがくちゃくちゃになって乾いたものが置かれたままになっていたりする。

 ネパールでは捨てるものはないそうだ、そんなロールでも、時には誰かの役にたつかもしれないのだ。一方空港や都市部の公衆トイレも基本的には同じだが、道徳心の欠如や習慣に無知であったりして破損し、詰まって異臭が漂っていることがままある。一方山のロッジのトイレは実際にはあまり異臭がしないし、例外はあるが不潔ではない。 シャワーは湯が出るとは限らないし、洋便器が設置してあると別室でなくトイレの中にあることもある。


アンナオウルナ紀行