3月23日(金) 雪道とシャクナゲ、シャクナゲ、シャクナゲ・・・ゴラバニへ
 
 晴れ 6時15分、朝日に輝くダウラギリ、アンナプルナ山群。前日の雪で足下が非常に危ない。
 7時20分発。下のロッジまで下り、林の中へ。雪の上にシャクナゲが散りとても美しい。散華のよう。道は急な下りとなる。

 7時50分 薄暗い谷底まで降りきる。ここで10分ほど休んで再び登り。  8時25分 バンタンティBanthanti hill(2660m)アンナプルナの眺望が素晴らしい。ここで急斜面を空荷でやって来たNさんの馬と合流、例の日本人グループの好奇と羨望の眼差しを受け、ここからまた馬上の人。

 8 時45分 出発、山の中腹を巻くようにやや登ってから下り。  9時10分 バンタンティBanthanti  河原に出る。真っ青な空、断崖にシャクナゲの木、蝶が舞う。水牛が数頭こちらを見つめている、鶏がうろつく。遠望の山の斜面は朝日を浴び、所々ピンクに染まるシャクナゲの原生林。少し上のゲストハウス(Sankar H.)の庭先で休憩。辺りには雪が残る。サクラソウなどが咲く。眼下の道をポーター達が何人も通過。

 9時40分 出発。再び雪道。原生林に入り登りとなる。途中で我らのポーター2人が休憩していたので私達も休み、一緒に写真。  シャクナゲの原生林を緩やかに上下しながら、時折素晴らしいシャクナゲに出会っては撮影。

 所々滝状になった急流に沿って少し急登。続いて樋状のぬかるむ道を急登。パーティーを率いるガイドらしき人が嫌がって反抗する子犬に縄をつけて降りていく。きっと貰った犬を連れて行くのだろう、と想像して気持ちを静める。すぐに広い台地デウラリDeurali(3150m)に着く(11 時30分)。 土産物の露天や、ロッジ前で、昼食のテーブルを用意する欧米人や中国人、日本人グループの間を縫い、一番奥のロッジH.Laliguransでザックを下ろす。風がとても冷たい。Nさんの馬がキッチン棟前の芝生で草をはんでいる。食事が出来るまで露天を冷やかす。ここでも飴類との物々交換を提案される。

 13 時10分 出発 雪の山道。後ろから馬上のNさんが追いつき追い越していく。馬は早い。ジグザグと登り、間もなく黒味帯びた見事なシャクナゲが現れ、その反対側にはシャクナゲの大木の合間から真っ白な山がみえる。やがてまたシャクナゲの原生林に入る。 広い尾根筋に出る。左手はすり鉢状の山間の谷で、鷲が数羽舞う。少し歩いて道は下りとなる。 14 時15分 タピThapi la (峠)(3106m)。Nさんが先着している。左手の谷間に集落が見える。明日行くウルリUlleri(2070m)である。右前方の下の山間に見えるブルーの屋根群はゴラパニGhorepani(2853m)、そこから左に辿った遠方のなだらかな山頂がこのトレッキングのハイライト、プーンヒルPoon hill(3210m)。明日早朝に登る。鷹の種類を見分けながら小休止。

 14時30分出発。見事なシャクナゲの咲く日当たりのよい山道をあれも、これもと写真を撮りながら下る。愛らしい薄紫のサクラソウの群生、あるいは一株。芽吹きの木々。やがてシャクナゲの木に囲まれた芝の広場に出る。ダワさんが“♪ダウギリマ〜ァ♪♪”と機嫌良く唄う。そこからまた原生林を真っ直ぐ石段の道が続く。降りきったところを右に斜面を巻いていくとゴラパニ村の入り口に。家の間を抜け、石畳のメインストリートに出る。本屋、パンやなどが並ぶ。道端の祠で合掌して、その奥の石段を登り、ロッジの庭先をまた登りやっと我らのロッジHill Top Lodge(2910m) に到着。

  15時40分 食堂を横切り、再び急な階段、また急な階段。3階が私達の部屋でした。流石にダウラギリ、ナムチェピークNamchePeakなど素晴らしい眺望だが、ギシギシと歩くたびに部屋が揺れるよう。廊下の床板の間から階下が見える。突き当たりがトイレで、羽目板一枚隣りはNさんとUさんの部屋。2人の話が全部聞こえる。翌朝のNさん、「おならまで聞こえ、眠れなかった!」

  洗面器が届き、手足を洗う。階下の食堂でティーとのこと、やれやれまたあの階段か。しかし下りは意外に簡単でした。先ほどは疲れ切っていたのだ。

 夕食までロッジ前のテラスで山を仰ぎ、シャクナゲに染まる斜面や、野鳥を観察して過ごす。パルカが椅子にもたれて昼寝。風が冷たい。リンジがヤクの肉のカレー炒めをだしてくれる。


アンナプルナ紀行