6月23日((火)  曇りのち晴 テント内気温9.2℃

今日は最後の下りである。一挙に1500m下るというので下りの苦手な私は緊張する。
6時 出発。周囲の山はすっぽりと霧に包まれてしまい方向が判らない。ペマさんのすぐ後ろにつく。まずは一面シャクナゲの斜面を登る。霧の中にピンク、白の花が浮かぶ。

6時33 分メンラ峠(4250m)。今回はじめて黄色のメコノプシス・バニクラータが下方斜面に3、4株立っているが、足場が悪く写真は見送る。山の側面の道を辿る。左手は谷らしいが霧でまったく見えない。時折大きな岩や、対岸にぬっと山が現れすぐ消えてしまう。鳥が3羽ボーと現れる。ペマさんがチベット・セッケイの雌だという。

少しづつ下りとなり、谷は遠のき台地上の道を行く。オレンジ色のシャクナゲ現れ、道の両脇は灌木に変わる。
8時28分(4100m)ここまで一気に歩き続けたのでリュックを下ろして休憩。谷側の灌木の中に赤い鳥が忙しく飛び交っている(シュイロマシコ)。やっと霧が晴れて谷向こうの景色が現れる。   

   
霧が少し晴れてみれば・・・                   最後のキャンプ地

ここからいよいよ本格的な下りが始まった。石に足を取られないように、足元だけを見てひたすら下る。きれいな花も横目でみるだけ。9時18 分小休。この後おおよそ一時間に10分ほど3回休憩を取る。遙か下にアーミーキャンプの屋根が見える。森林地帯に入り、足元の落葉が松葉に、やがて広葉樹の葉に変わる。

時々高度計を確かめるが3000m台でまだまだだ。11時53分 松を切り倒した広い跡地で休憩(3095m)。周囲は鬱蒼として薄暗いが乾いていて涼しい。白いジンジャーがところどころに。ここでランチかと思ったがサンゲもランチ馬もいない。がっかり。森林地帯を抜けると道は赤土の深くえぐれた樋状となる。雨が降ったらさぞかし滑るだろう。

12時40分 木々の隙間から直下にサンゲが飛行機を誘導するように、両手を大きく振っているのがみえた。やれやれもうすぐだ、しかし急下はまだ続く、太陽が照りつけ汗びっしょり。

12時55分 草地に着地(2805m) 数十歩でランチ場。良く乾いた気持ちのいい空地だ。食後手足を思い切り伸ばして横になる。どこからともなく牛が数頭目の前を横切っていく。

13時40分 出発。せせらぎを渡り、牛避け柵を開けてアーミーキャンプ内にはいる。石畳の両側に家族居住棟が続き、集会場も、学校もあるらしい。14時 正門(チェック・ポスト)に着き、ペマさんが手続きをして門の外に出る。ここからは一週間前に歩いた道だ。はて私達のキャンプ地は何処かしら、近くにちがいない。ところが歩くこと2時間、門(実はチュイ・チョルテンという古い型のチョルテンらしい)の脇を通りひたすら歩く。

ポーターの一人がたわわに実をつけた山椒の木をみつけ採取、辺りに良い香りが立ちこめる。煮物に使うのだそうだ。お母さんにいいお土産ね、と私達も袋を取り出し協力する。この辺りの道脇には例の“怖ろしい”針一杯の草(ジャジーというらしい)が生えている。若葉の頃は動物が食べるのだそうだ。

 15時41 分(2665m)用途不明の囲い場がある道脇の広場に私達のテントと荷を解かれた馬たちがいる。 今日はキャンプ最終日。
18:50夕食後スタッフがダンスを披露してくれる。雨が降り出してお開きとなる。         
 
BHUTAN2 2009