6月19日(金) 曇りのち晴
 夜明けと共にチョモラリを見ようとテントを出る。雲が湧き、すっきりと全容はみられないが、頂上が姿を現す。ピンクに刻々と染まる朝焼けは向かいの山から日が差し込む8時頃というが、生憎太陽は雲に覆われ雨も降り出してしまった。外に用意された朝食のテーブルも急遽食堂棟に避難する。9時頃雨が止んだので向かいの丘にでかける。さっそく河原沿いの崖に珍しい花をみつける。

谷の奥にヤク農家が一軒、その脇を通り抜け、谷川を渡り登りにさしかかる。ジグザグとつけられた登山道脇には小型シャクナゲなど、とりわけ白色の中輪のアネモネがあちこちに咲き、とても可憐で美しい。

 谷奥に聳えるジチュダケ(6794m)が正面に競り上がり(頂上は見えない!)、モレーンの瓦礫の下方から川筋がU字谷の中央に白く延びる。私達のテントも小さく見える。

  オノスマ・フッケリ(ムラサキ科)

   ジチュダケの岸壁 

 フロミス・ロタータ(シソ科)


アネモネ・ルピコラ(三姉妹と名付けた!


アネモネ・スミシアナ(?) 


紫のアネモネ:アネモネ・デミッサ(?)

紫の小さなアネモネ、イワヒゲが出始めると間もなく稜線上に。(11時13分)広〜い平原状の丘には、草地にはリンドウがキラ星の如く嵌め込まれている。所々にマーモットの巣穴。ヤク小屋が2棟。一つは昔ながらのヤクの毛で編んだ筵が屋根となっていて、茅葺き屋根を地面に被せたように見える。他方はブルーのシートを使っている。

南東の谷間はツォ・フォへの道がつづく。堆積礫がまるでロングドレスの裾のように伸びやかに谷に落ち川面が銀色に光っている。太古のからの怖ろしいまでの静寂な風景。

12時13分 丘を下る。12時40分橋を渡る。ペマさんが谷川に滑落して死んでいるヤク2頭を見つける。12時50分キャンプ場に戻る。
 昼食後はまた思い思いに過ごす。ホースマンたちが、キャンプ場脇の山頂にルンタを建てる。夕方ヤクマン(谷奥の住人だろうか)が馬数頭と犬を連れて下っていく。このキャンプ地は、日に数頭の馬とヤクマンが通り過ぎていく。

U字谷とBCを望む

マーモットの巣穴 

丘の上のヤクマンテント

      
伝統的なヤクマンテント                                 丘から見た岩壁とモレーン
       
       ツォフへの道と谷川                           テゲタンに下る馬と犬を連れたヤクマン
BHUTAN2 2009