7月12日(木)曇り、晴れ、雨 再びラマホテルへ 森林の中に2匹の猿

 7時半出発、往きに泊まったロッジの中庭を通ると食堂も閉まり人影がない。その時キッチン棟の扉の前にドンホセ君が姿をみせ、バイバイする。15人ほどの兵士が兵舎の中庭で体操をしている。往きには無人だったゴンパもチャムキにも村人がいる。

 道端のワラビを採りながらIさんと子供の頃の日本の山村の暮らしなど話しながら2時間ほど下る。青みを帯び芯のあたりがエンジ色のユリ、リリウム・ネパレンセをみつける。タングサプを最後にランタン村ともお別れ。陽は照っているのにアイリスの花はみんなつぼんでいる。お寝坊なのかしら。水車式のマニ車を通過すると木造の砦がみえる。往路では気がつかなかった。アパッチ族の砦みたいだ。軍の施設でマオイスト等を見張っているのだそうだ。キャンプ内にヒンズー教の祠があるのが微笑ましい。

 広々とした印象だったゴラタベラの広場が意外に小さい。3〜4人の先客。間もなくフランス人カップル(女性はベトナム人との混血?)、日本人の写真家集団、ガイド(数日前のドイツ人カップルのガイドと同じ人)を連れたフランス人女性がやってくる。ここからはまた森林帯の下りとなり、ランタン・コーラの激流が轟く。

 森の中に猿が2匹。顔が白いふさふさした毛で覆われ、身体は灰色がかった茶色で、尾が長く優美である。道にシダやラン類をつけた枝が落ちているのは彼らの仕業だそうだ。グムナチョクの河辺は増水して狭くなっている。ランタンに向かう欧米系の女性が2~3人、ガイドやポーターも数人明るい陽射しを楽しんでいる。

 女性1人と男性2人の日本人に出会う。出会い頭に「Japanese?」と聞かれ一瞬違和感を覚え返答に屈する。「どちらから?」と問われた後続のIさんは「目黒から」と答えたそうな。外国で同胞に会った時のやりとりは意外と難しい。ラマホテルの近くで大粒の雨が落ち出し、たちまち本降りとなり、食堂に飛びこむ。ガイド連れのフランス人女性に続き、びしょ濡れになったロシア人男性(前々日チーズ小屋の前で遭遇)も到着。夕食:チラシ寿司とワラビのお浸し。



コース中のマニ水車



森の中の猿



ワラビ採り


ランタン紀行