目が覚めると二の腕、後ろ首筋、耳、顔の一部が赤く斑点状に腫れ、痒くてたまらない。時間が経つに従い、大腿部脇や肘周り、指まで広がる。ダニか蚤か。
8時小型のバスで出発。どこが崖崩れの場所か“期待”するが、無事ドゥンチェのチェック・ポイントを通過。途中熟年の西洋人夫妻や若者グループが元気よくドゥンチェ方面に歩いていく。彼らは皆シャベル・ベシまで下るのだろうか。前日の若者達も歩いてきたので遅く到着したにちがいない。突然バスが止まり、ここから歩き、向こうで待っているバスに乗り換えるという。私達が乗ってきたバスはUターン。
ポーター達が素早く荷物を背負って歩き出す。道の真ん中に大きな岩がごろごろと重なり、谷に向かって雪崩れ込んでいる。三点確保で上方を巻いて向こう側にでる。やはり往きに恐い思いをしたラムチェ付近であった。ショベルカー一台とすれ違ったが復旧にはまだ時間がかかるだろう。
カリカスタンKalikasthan(1500m)の食堂で昼食。テーブル下を鶏が歩きまわる。リンジが肉はチキンか山羊と聞きに来たので、みんな迷わずチキン。あとは適当にダル、馬鈴薯カレー風味、大根の酢のものが取り合わされてきた。カリカスタンは賑やかなバザールだがその余りに貧しい佇まいに息を飲む。錆びたトタンで囲った二階屋が道の両側に連なり、階下は食堂、雑貨や、布地屋、ミシン一台を置いた仕立屋などの店、二階は住居部で洗濯物や寝具が所狭しと干してある。
道はくねくね曲がりながらトリスリ河に向かって下り、川沿いを暫く行くとトリスリ(540m),ここから舗装道である。トリスリ河から次第に遠ざかりながら平坦地を行き、再び登りになる辺りから雨がふりだす。窓側のシートは雨漏りでびっしょり。通路側に席を移し、Sさんはとうとう傘をさす。
カトマンドゥに近くになるといつの間にか雨は止み、バスターミナルでキッチンスタッフとポーター達とお別れの握手をし、私達はホテルへと向かう。スタッフの襟足はすかっかりボサボサに伸びていた。 夕食はダワさんリンジと共に「ふる里」で豚カツ定食、冷や奴。ナムゲル同席
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