2012年9月6日(木)
9月6日(木) ヒーリー 6:00発 デナリ国立公園 7:40 ~17:05  ホースシュー・レイク17:20~18:30


車窓から


展望台より


広大な河原
 5:00起床、6:00まだ暗いなかを専用車で出発。6:15 途中の大きなカフェテリアで朝食。バイキング方式で、4時半から開いているという。卵、ソーセージ、ジュース、バナナ、西瓜、ナッツ類、スコーン、ヨーグルト、コーヒーなどたっぷり摂る。7:00 ビジターセンターに到着、エントリーする。

 7:40シャトルバスで出発。ほぼ満席。 ドライバーがガイドを兼ねていて、まず国立公園(1980年設立)の由来、行程と休憩場所、危険時の対応など説明する。
 
 私たちのドライバーは巻き毛の長髪、長身で、ビニール袋に入った生人参数本(ランチか)を傍らに置き、冗談を交えながら絶えずしゃべり続ける。 トウヒなど針葉樹の間につけられた舗装道路を縫うように走る。動物を見つけると徐行、停車,動物の生態など説明をするが、早口の英語で肝心なところはさっぱり判らない。

 7:50 木々の間を移動する雌のムースを見つける。皆総立ちになりシャッターを押す。森林帯を抜けると、砂利道となり、ゲートがある。女性のレンジャーが乗り込み、ここからは一般車両は通行禁止、山には昨晩雪が降り、冬がすぐそこまで来ているなど、元気よく早口で伝えると、にっこりとしてバスを降りる。両サイドはツンドラ地帯を覆うベリー類、地衣類がオレンジ色や赤く紅葉し、アスペンや、白樺の黄葉、黒々としたトウヒがその間に突き出た平原や、斜面がうねうねと広がる。9時テクラニカ・リバーサイド展望台、15分休憩。

 テクラニカとは"たくさんの砂利と少しの水"という意味で、眼下は広い河原で、幾筋もの川が緩やかに流れ、正面には冠雪した山がそびえる。
 9:30 薄日が射し、左手の斜面の薮にリンクス(大山猫)が出る。遠目にはネコ科の動物、その逞しい歩き方はどうみても雌ライオンである。標高はどんどん上がり、険しい岩稜を切り開いた道をトラバースして行く。左手は切り立った崖で、その下には幾筋もの流れを擁する広大な河原が広がる。コーナーを曲がり切り、ポリクローム峠に到着(10時)、休憩。


立派なトイレ


トクラックの河原


トクラックからみる雪山
小高い丘に周遊路がつけられ、遠くの雪山や果てしなく広がるトクラック・リバーの河原、色づく草原が見渡せる。 ここから道は下りとなる。 橋を渡り10:30トクラック着。シャトルバスが数台駐車、 バイオ・トイレが8棟立ち並ぶ。 山に囲まれた河原の一隅で、すぐ脇に川が流れる。ここ(1578m)まで来る間にバスの窓ははね泥で汚れ、ほとんど外は見えなくなってしまった。トイレ脇にあったモップで拭うが、バケツの水はたちまちドロドロの汚水となり効果なし。他のバスのドライバーは持参のモップで拭き上げているが、私たちのドライバーは無関心、人参を齧るのに余念がない。

 休憩の時間が過ぎても出発の気配がない。この先の道が雪のため閉鎖となり、引き返すという。しかし途中まで引き返したところで開通の連絡が入り、再びトクラックに戻り12:30 漸く出発。12:33 オスのカリブー(トナカイ)が現れる。標高を徐々に上げ、ストーニーヒルに到達、周囲の草木には一面に雪が積もる。


カリブー


角が絡み合った頭骸骨


ビジターセンター前


冠雪した山、紅葉する凍土、紅葉の森

 13:05 アイルソン(1300m)に到着。みぞれ状の雪が降り、空も道路も真っ白。視界は全くない。ここから一時間程度のハイキングを予定していたが、勿論不可能である。ビジターセンター内に急いで避難して、杉さんが魔法瓶の湯でコーヒーを淹れ、各自持参のパンやカップラーメンを頬張る。このセンターは4年かけて環境と景観を配慮した設計で建て直された。入り口には2頭のオスのムース(ヘラジカ)が格闘し角が絡まったまま息絶えた頭蓋骨が置いてある。見学もそこそこに13:35 出発。  

 14:02 グリズリー(ハイイロクマ)が出現、のしのしと歩きながら草の間に鼻をつっこみ懸命になにかを食べている。往きにカリブーが出た辺りだ。

 14:11 トクラックに到着。トイレと窓拭きをする。 15:30 テクラニカ・リバーサイド展望台着。16:05 真っ赤に紅葉したクランベリーで覆われる斜面にオスのムースが現れる。道路脇のトウヒの木立のなかにも2匹。近距離である。繁殖期でないためか、すれ違ってそのままトウヒの実を食み、それぞれ別方向に行ってしまう。 17:05 ビジターセンターに到着。  


ムース


ホースシュー・レイク


ビーバーダム
  

白樺、アスペン、トウヒの森  カナダカケス
 今日は殆ど歩いていないので、国立公園から車で数分のホースシュー・レイクにビーバーダムを見に行く。 17:20 アラスカ鉄道の線路を跨ぎ、トウヒやアスペンの森の小径をたどる。木立の間から下方に沼が見える。そのあたりからかなり下るとレイクサイドに出る。小枝を編むように巧みに組み合わせた堰が水を堰き止めている。ビーバーの巣はこのダムの下にある。

 帰路は野草に詳しい ウエス さんがジェニファー(黒い実はジンの香りづけに使う)やローズヒップ、近年繁殖し出したヨモギ、クランベリー、その他美味しくないので食用にはしないベリー類を教えてくれる。彼の声は低く柔らかく心地良い。人柄そのものである。

 森を出ると青空を背景に山々が黄金色に輝いている。線路上にカナダカケスが現れ、アスペンの頂きに飛んでさえづる。
18:30出発。 18:45 ロッジ着。入り口の電光板に46°F(7.7℃)  
19:15 夕食。一番小さい8オンス(約250g)のステーキを樫八重さんとシェアーする。
 
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